コンセプト

アウェーなふたり

1998年。インターネットが普及し始めた頃、一つのサイトが産声をあげました。 学生だった管理人(夫・やす)は、浦和レッズの熱狂に身を投じ、サポーター仲間とともに「生観戦の素晴らしさ」を発信しようと、このウェブサイト「スタジアムに行こうっ!-サッカー生観戦絶対推奨サイト-」を立ち上げたのでした。

時を同じくして、のちにパートナーとなる管理人(妻・かず)もまた、別の熱狂の中にいました。彼女はFC東京の熱心なサポーター。お気に入りの選手を追いかけ、青赤の情熱をスタジアムに捧げる日々。

二人はよく一緒にJリーグを観に出かけました。しかし、東京対浦和のカードになれば、話は別。スタジアムまでは一緒でも、入場ゲートが近づくと二人は正反対の方向へ歩き出します。

「じゃあ、またあとでね」

夫は真っ赤な浦和のゴール裏へ。妻は青赤の東京のゴール裏へ。 90分間、お互いが「敵」として声を枯らすその姿に、友人たちは呆れ、半分引き気味に笑っていたものです。

それでも、私たちが一つになれる瞬間がありました。それは日本代表戦。 普段は敵同士として睨み合う仲間たちも、この時ばかりは「日本人」として、サムライブルーの旗の下で肩を組み、勝利を信じて歌う。その青い空の下だけは、私たちの心も、スタジアムの熱狂も、ひとつに重なることができたのです。


止まった時計と、見つかった記憶

月日は流れ、二人は人生のパートナーとなりました。 家族が増え、子育てに追われる日々の中で、観戦スタイルは形を変えていきました。 喉を潰すほど叫んだゴール裏を卒業し、子どもを連れてのメインスタンドやバックスタンドでの指定席観戦へ。そしていつしか、スタジアムへ足を運ぶこと自体が、日常から遠いものになっていきました。

サイトの更新は止まり、かつての熱狂はデジタルの海の底へと沈んでいきました。でも膨大なアーカイブ、青春の思い出たち、何となく閉鎖することができなくて…。

そんなある日のこと。夫の実家で、妻が一枚の写真を見つけました。 そこには、学生時代の私たちが、汗と涙にまみれてゴール裏で叫んでいた、あの頃の眩しい姿が写っていました。

「これってすごく価値があるんじゃない? 眠らせておくのはもったいないよ」

妻の言葉に、胸の奥が熱くなりました。けれど、同時に現実が頭をよぎります。 膨大な写真データ、古いHTML、止まったままのリンク……。あの情熱をもう一度形にするための膨大な作業量を思うと、夫はどうしても腰が引けてしまいました。


静岡スタジアムエコパでハイハイしていたあの頃から20年、この子が成人するほどの時が流れた。

テクノロジーが繋ぐ、家族のバトン

停滞していた空気を変えたのは、大学生になった息子の提案でした。思えば今の彼の年齢の頃に立ち上げたウェブサイトでした。

「今のテクノロジーやAIを駆使すれば、圧倒的な効率でこのサイトを生まれ変わらせることができるんじゃね?」

その言葉は、止まっていた時計の針を大きく動かしました。 当時の低画質なデジタル写真も、AIの力で現代の鮮やかさを取り戻せる。膨大なテキストも、新しい技術で整理し、今の読者に届けることができる。

「面白そう!」

妻が、そして家族が、サイトの復刻に向けて動き出しました。

1998年の情熱と、2026年のテクノロジー。 かつての「アウェーなふたり」が紡いできた物語は、今、家族の力を得て、新しい幕を開けます。

あれから28年、2026年に家族とテクノロジーの力を借りて当サイトは再び動き始めました。さぁ、もう一度。 あの頃のエモいスタジアムの風にー。