日本代表対南アフリカ代表

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シドニーオリンピック2000

いよいよ待ちに待ったシドニー五輪の初戦。対南アフリカ戦。 個人個人の身体能力ではかなわないとヒデ(中田)も公言する相手に対し、日本の組織力で幸先よいスタートを切ってほしい。正直、17連勝中の日本代表の勝利を信じて疑わなかったのは僕だけでしょうか?

しかし、ふたをあけてみると南アフリカの強いこと強いこと……。

■個の力に沈んだ先制点。南アの猛攻に翻弄されるDF陣

決勝トーナメント進出へ、なんとしても勝たなければならない初戦。3戦目にブラジルが控えている以上、ここで勝ち点3を積み上げることは絶対条件でした。

しかし、日本は南アのB・マッカーシーとノムベチの2トップに苦しめられました。独特のリズムで攻めてくる攻撃に、DF陣も翻弄されます。特に右サイドの中澤佑二がいいようにやられていたような……。中澤は高さがあってセットプレーには強いけど、サイドで個人技を仕掛けられると、どうしても不安が残る展開でした。

先制したのは、やはり南アフリカ。前半31分、B・マッカーシーがゴールライン際で粘って低めのクロス。それをノムベチが頭で合わせ、楢崎の頭上を越えてゴール。これはもう相手の個人技を褒めるしかない、楢崎もノーチャンスの凄まじいシュートでした。

■嫌なムードを断ち切った「背番号10」中村俊輔の左足

「大丈夫だろうか?」という不安がよぎりましたが、今の日本にはそれを跳ね返す攻撃力がありました。

前半ロスタイム、嫌なムードを断ち切ったのはやっぱり俊輔でした!絶妙なFKがゴール前へ綺麗な弧を描いて上がると、柳沢と高原が同時にジャンプ。高原の頭にピタリと合い、起死回生の同点弾!いつも「ロスタイムにやられる」側だった日本が、ロスタイムに追いついた。この1点は本当に大きかった!

■均衡を破ったヒデの「奪うようなパス」と高原の嗅覚

後半に入っても南アの猛攻は続きましたが、森岡・中田浩・中澤の3バックに明神が絡んで必死に食い止めます。そして後半34分、ついに均衡を破ったのは中田英寿でした。

交代で入った本山から、まるでボールを奪うようにしてドリブルを開始したヒデ。あの瞬間、相手DFもカメラマンも、そして僕らも一瞬ボールを見失いました。ヒデがフリーで前を向いたコンマ数秒、左サイドを走る俊輔の動きを囮に使い、ヒデは中央のスペースへパスを放ちます。

そこに反応したのは高原!飛び出してきたGKの鼻先で、右足で軽く蹴り上げてゴールへ流し込む。逆転!!ヒデから高原へ、これ以上ない理想的な形での勝ち越しゴールでした。(やす)

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